漬物は、食材を多く収穫した際の防腐貯蔵と風味の良化のために考案されたもの。
日本人の食卓に欠かせない一品として広く親しまれ、地域によって多種多様な漬物を味わうことができます。
野菜のおいしさが長持ちするだけでなく、素材の魅力も引き出してくれます。
この記事では、漬物の種類や野菜ごとのおすすめなどをご紹介!
梅干し
梅干しは、梅の実を塩漬けして天日干しをしたあと、しその葉と一緒に漬け込んだものです。酸味が強いのが特徴で、昔からおにぎりの具材などに使われています。平安時代からあるとされていて、清少納言の枕草子にも梅干しが登場しています。
梅干しの健康効果
血液に期待できる効果
梅干しに含まれるクエン酸に疲労回復や防腐作用があります。クエン酸が、酸性に傾いたドロドロの血液を弱酸アルカリ性に中和してくれると言われています。
ダイエット効果あり!?
梅に含まれる「バニリン」が脂肪細胞の肥大や増加を防ぐとされています。梅干しを温めるとバニリンの効果も上がると言われており、電子レンジで1分間温めると大体20%ほどのバニリンの効用を上げられると言われております。
レシピ
- 完熟梅を選ぶと失敗しにくい
- 傷んだものを除き、きれいに洗い、ヘタを取る
- 梅に焼酎をまぶす
- 塩、梅を交互に漬ける
- 白梅酢を取り出す
- 赤紫蘇の葉を摘んで塩もみし、アクを抜く
- 白梅酢と紫蘇を合わせ、梅の塩漬けに加える
材料
完熟梅 | 5kg |
粗塩 | 900g |
焼酎 | 1/2カップ程度 |
赤紫蘇 | 1kg |
粗塩 | 200g |
白梅酢 | 赤ジソにひたひた程度の量 |
※梅の量で材料の量を調節してください。
たくあん
たくあんは、天日干しにした大根をぬかに漬けたものや、干さずに塩漬けしたもの、調味液に漬けたものなどさまざまな種類があります。それぞれ食感や色、味などが異なっています。
たくあんは、江戸時代初期に臨済宗の沢庵宗彭(たくあんそうほう)という僧侶が考案したことで知られます。名前もこの僧侶からきています。
たくあんの栄養素
食物繊維、ビタミンCが豊富で、伝統的な製法で作るたくあんは発酵させて作るため乳酸菌も含まれています。
レシピ
- 大根は皮をむき、半割りにします。
- くちなしの実は半分に割り、だしパック(お茶パック)に入れます。
- ジッパー付き保存袋に大根、塩、砂糖、酢、2.を入れ、もみ込みます。室温で1日置いて水分が出たら、冷蔵庫に入れて1週間漬けます。時々、混ぜながら漬けると均一に漬かります。
- 袋から出し、食べやすく切っていただきます。
材料
大根 | 1/2本(500g程度) |
塩 | 大さじ1(18g) |
砂糖 | 大さじ5(45g) |
酢 | 大さじ1 |
くちなしの実 | 1個 |
ぬか漬け
ぬか漬けは、ぬか床に野菜などを漬け込んで作る漬物のことです。ぬか床は米ぬかや塩、水、唐辛子などを混ぜて乳酸発酵させたものです。深い旨味とほどよい酸味が特徴で、きゅうりや大根、なすなどがよく使われています。
ぬか漬け、ぬか床の栄養素
ぬか床の「ぬか」にはビタミンB群が多く含まれています。野菜をぬか漬にすると、「ぬか」の栄養分が吸収され、ビタミン含有量が増えます。
ビタミンB群以外にも、ビタミンE、γ-オリザノール、フェルラ酸、フィチン酸、イノシトール、乳酸菌などが含まれます。
レシピ
- ぬか床を始めるための材料の準備
糠床をはじめるために必ずそろえたい材料は『ぬか、塩、水、粗挽き唐辛子・山椒の実』です。糠は、生ぬかを使う方がぬか床には最適です。
ぬか床は、初期の発酵をうながすために捨て漬けが必ず必要です。捨て付野菜は、大根・人参・キャベツ・きゅうりなどで良いです。
特に水分を多く含む大根やキャベツは発酵が進みやすいので特にお勧めです。 - 糠に塩と水を混ぜ合わせる
大きめのボールをに生糠を入れ、水を加えてからかき混ぜます。水は少しずつ加えながら、糠が均一に水分を含むまで水を加えていきます。 - ぬか床に塩・粗挽き唐辛子・山椒の実を入れる
ぬか床のベースができたら、次に塩・粗挽き唐辛子・山椒の実を加え均一になるように混ぜ合わせます。
ぬか床の捨て漬け期間と手入れ
ぬか床の捨て漬けを行う期間は、3週間ほど行うと熟成されてきます。捨て漬け野菜の漬け替えの目安は、常温で3日~5日です。触らずにそっとしておきます。
これは、植物性乳酸菌の発酵を促すためです。3日~5日ほど経つと、底面の糠が表面に出るようにしっかり混ぜます。野菜を入れ替えるときは漬けておいた捨て漬け野菜の糠をできるだけ落とし、野菜の汁をしぼってぬか床に戻し加えます。
特に、キャベツなどは良く水分が出ますので、発酵が早く進みます。
材料(ぬか床)
生ぬか | 1㎏ |
お水 | 1L(ぬかと同量) |
つけもの塩 | 130g~150g |
昆布 | 適量 |
粗挽き唐辛子 | 30g~50g |
実山椒 | 少々 |
捨て漬け野菜 | 適量 |
浅漬け
浅漬けは、なすやきゅうりなどを調味液に短時間で漬け込んで作ったものです。即席漬けや一夜漬け、お新香などがあります。長い時間で漬け込んでいないため、野菜本来の味が楽しめます。
白菜漬けは浅漬けを代表する漬物のひとつで、市販の漬物のなかでも人気があります。低濃度の塩で漬け込んでいるため、白菜本来の風味が活かされています。
白菜漬けレシピ
- 白菜はざく切りにします。
- 1.をポリエチレン袋に。塩昆布と、塩を入れ、空気を抜いてよくもんでから、冷蔵庫で約30分漬けます。
- 汁気をきって皿に盛り、出来あがりです。
白菜は芯の部分をそぎ切りや細切りにすると漬かりやすくなります。
材料
白菜 | 1/8株(約200g) |
塩昆布 | 一つまみ |
塩 | 少々 |
粕漬け
粕漬けは、酒を作ったあとにできる酒粕、みりん粕に食材を漬け込んだもので、ほどよい甘味と塩気が楽しめます。代表的なものに奈良漬やわさび漬があげられます。
粕床のレシピ
- ボウルに酒粕と酒を入れて5分ほど置き、酒粕がやわらかくなったことを確認してからほかの材料をすべて加え、混ぜていきます。
- 味噌よりもすこしやわらかいくらいになるよう、もし硬かったら酒を加えて調節します。完成したら、タッパーなどの容器に移します。
基本的には、その食材も24時間ほど漬ければ大丈夫です。水分が多い野菜は、長く漬けすぎると粕床が傷んでしまうため、2〜3日程度で取り出しましょう。魚や肉は、身が崩れてしまうため長くても4〜5日で取り出してください。
材料
酒粕 | 300g |
酒 | 50cc |
味噌 | 30g |
砂糖 | 大さじ3杯 |
塩 | 小さじ1杯 |
麹漬け
麹漬けは、麹を主材料として作られるもので、べったら漬けが有名です。白菜やなす、かぶ、大根などの野菜を、一度塩漬けにしてから麹で漬けます。
レシピ
- 大根は皮をむいて長さを漬物器の大きさに合わせて切り、縦半分に切る。大根の葉があれば、5cm長さに切る。大根に塩をすり込む。
- 1.の大根と葉を、ポリ袋に入れる。
- 漬物器に入れ、空気を抜いてポリ袋の口を結ぶ。
- 圧力をかけ、1~2日間おく。
- しっかりと水が上がってきたら本漬けに入る。
- 【こうじ床をつくる】米を洗って400mlの水で炊き、柔らかめのご飯をつくる。粗熱を取ってこうじを加えて混ぜ、二重にしたジッパー付き保存袋に入れる。
- 厚手の鍋に約70℃の湯をたっぷり入れる。6.を入れてふたをしてバスタオルなどでくるみ、3時間ほどおく。
- 5.の大根をざるに上げ、紙タオルで水けを拭き取る。
- 【こうじ床】の半量を、漬物器に敷き詰め、その上に大根を並べる。
- 大根を、残りの【こうじ床】で覆う。
- 漬物器の圧力をかけ、水が上がってきたら圧力を半分に弱める。
- 水がたまってきたら適宜捨てながら、涼しい場所に1~2週間ほどおいて発酵を待つ。
- 本漬けをして1週間後から食べられる。表面を軽くぬぐって食べやすい大きさに切り、こうじも添えて盛る。
材料
大根 | 1kg |
粗塩 | 約40g |
米【こうじ床】 | 180ml(1合) |
米こうじ【こうじ床】 | 200g |
味噌漬け
味噌漬けは、肉や魚、野菜などの食材を味噌に漬け込んだものです。 味噌そのものが食用であることが特徴で、味噌の風味が食材にしっかり移ります。
レシピ
- 大根は皮をむき、縦十字に切ります。表面に塩をすり込み、そのまま10分ほど置いておきます。
- ポリ袋に1.を入れ、袋の上から手でもんで混ぜ合わせます。
- 大根の水気をキッチンペーパーでふき取り、ポリ袋に入れ、全体をもみ込みます。ポリ袋内の空気を抜き、くちを閉じて漬けたら、完成です。
- 食べるときにポリ袋から取り出し、水気を切り、切って皿に盛ります。
材料
大根 | 1/3本(約400g) |
塩 | 4g |
みそ | 大さじ4 |
砂糖 | 大さじ1 |
醤油 | 小さじ1 |
白だし | 小さじ1 |
醤油漬け
醤油漬けは、醤油を主とした材料に下処理した野菜を漬け込んだものです。福神漬けや松前漬け、つぼ漬けなどがこれにあたります。
ニンニクのしょうゆ漬け
レシピ
- ニンニクは根元を切り落とし、皮をむきます。
- 保存瓶に1としょうゆ、みりんを入れて混ぜ合わせ、ラップをして冷蔵庫で2日ほど置きます。
- お好みの料理にかけたり、つけたりしてお召し上がりください。
材料
ニンニク | 6片 |
醤油 | 100ml |
みりん | 50ml |
酢漬け
酢漬けは、野菜などの食材を酢に漬け込んだもので、らっきょう漬けや千枚漬けなどがあります。海外では、こしょうや唐辛子などの香辛料と漬け込んだピクルスが有名です。
きゅうりの酢漬け
レシピ
- きゅうりはヘタを切り落とし、乱切りにします。
- ボウルに1、塩を入れて手で揉みこみ、ラップをかけて15分程おきます。
- ジッパー付き保存袋に水気を絞った2、漬けこみダレの材料を入れ、袋の上から手でよく揉みこみ、冷蔵庫で1時間程漬けこみます。
- 味がなじんだら器に盛り付けて完成です。
材料
ニンニク | 6片 |
醤油 | 100ml |
みりん | 50ml |
からし漬け
からし漬けは、野菜などを塩漬けしたあと、からしや酒、麹などを混ぜ合わせて漬け込んだものです。なすや大根、きゅうりなどがよく使われます。
レシピ
- きゅうりを洗って水分をキッチンペーパーで拭き取る。
- ジッパー付き袋に調味料を全部入れて混ぜておく。
- 水分を拭いたきゅうりを入れて、全体にいきわたるように袋の中で粉をまぶしていく。
- 冷蔵庫に入れて3~4日漬ければ出来上がり。
一日経つと水分が出始めるので、1日に一回くらい軽く袋を揺らして出た水分を全体に馴染ませると美味しく出来上がります。
材料
きゅうり | 1kg |
塩 | 30g |
砂糖 | 80g |
粉からし | 15g |
発酵漬け
発酵漬けは、乳酸発酵によってできる酸味が特徴の漬物です。野菜に蓄えられた糖分が分解され、発酵することによって旨味成分であるアミノ酸が生成されます。すぐき漬け、すんき漬けなどがあります。
レシピ
- 大根と人参は洗って千切りにする。
- 人参と大根を瓶に入れて、2-3%の塩水を野菜が浸るまで注ぐ。
- 計量カップ1の水に小さじ1の塩を溶かしたものを瓶の大きさによって、野菜が完全に塩水に浸る高さまで注ぐ。
- 瓶のふたを軽くしめ、常温で真夏なら半日、真冬なら1週間ぐらい放置します。たまにふたを良くしめて瓶を振り、またふたを軽くしめなおす。泡が出はじめたら発酵したサインです。
- 好みのすっぱさになったら、冷蔵庫に入れ早めに食べきります。発酵のサインは泡と白濁した塩水です。
材料
大根 | 15cm |
にんじん | 1本 |
塩 | 適量 |
キムチ
キムチは、唐辛子や発酵させた魚介類、にんにくなどを混ぜて野菜を漬け込み、乳酸発酵させた韓国の伝統的な漬物です。白菜や大根、きゅうりを漬けたものがよく作られています。発酵が進むにつれて酸味が増していきます。
レシピ
- 白菜の根元から1/3くらいまで切り込みを入れ手でさいていき8等分にする。
- 葉と芯の部分に分けてそれぞれ食べやすい大きさにザク切りにする。
- 大きめのボール(なければ厚手のビニール袋でも)に芯だけ入れて塩を加えて揉み込み全体になじませたら水を加えて30分程おく。
- 葉も混ぜ合わせしんなりしてきたら、落し蓋(皿)と重石(水入りペットボトル)をのせ2~3時間程漬ける。
- 水が上がり、芯を味見して軽く塩気を感じる程度に漬かったら、ザルに上げて2~3時間程水切りする。
- 【ヤンニョム作り】りんごを皮付のままFPにかけ、にんにくと皮を剥いてスライスした生姜も加えペースト状にする。
- ペースト状に。
FPがなければ、それぞれすりおろして合わせてもOK。 - ねぎは青い部分も含め薄く輪切りにする。ニラは長さ2、3cmに切る。
- ボールに7.と8.と残りのヤンニョムの材料をすべて合わせる。
- ゴム手袋などをしてよく混ぜ合わせたらヤンニョムの完成。
- ヤンニョムのボールに水切りした白菜を加えて全体になじむまでよく混ぜ合わせる。
- ジップロックやタッパーなど密閉できる容器に移し冷蔵庫の野菜室で熟成させる。
- 好みの辛さにしたい場合、9.で混ぜる唐辛子を半分にして本漬け後に味をみながら唐辛子を加えて辛さを調節する。
材料
白菜 | 1個(3kg) |
粗塩 | 100g |
水
|
500ml |
りんご【ヤンニョムの材料】
|
半分(200g) |
にんにく【ヤンニョムの材料】 | 1/2個(40g) |
生姜【ヤンニョムの材料】 | 40g |
長ねぎ【ヤンニョムの材料】 | 1本(50g) |
ニラ【ヤンニョムの材料】 | 1/3束 |
ナンプラー【ヤンニョムの材料】 | 50ml |
唐辛子・粉【ヤンニョムの材料】
|
大さじ3 |
唐辛子・中挽き【ヤンニョムの材料】
|
大さじ3 |
ごま【ヤンニョムの材料】 | 大さじ1 |
砂糖【ヤンニョムの材料】 | 大さじ1/2 |
コメント