ビリヤードには複数のルールがあり、熟練度や人数に応じて適したルールで楽しめるスポーツです。他のスポーツには珍しく、一人用のゲームルールも存在します。
この記事は、初心者のためにビリヤードのルール・テクニックをまとめています。
ビリヤードのルール
①番ボールから順番に狙って、最後に⑨番ボールを落とせば勝ち。(ナインボールの場合)
ポケットビリヤードにおける共通のルールには以下のものがあります。ファールとされた場合、プレーを継続する権利が相手に移ります。また、ファール後にどのようにゲームを継続するかという点について競技ごとに細かい決まりがあります。
ゲームの流れ
先攻のプレイヤーがブレイクして、的球がポケットされれば続行。テーブル上に残っている最小番号の的球を狙います。的球をポケットすればプレーを続行できます。ポ
ケットミス、ファウルは順番が交代。最終的に⑨番ボールをポケットしたプレイヤーが勝者となります。(ナインボールの場合)
ファール
ファールは手玉をついても何も当たらなかったり、当たった的球と手玉がクッションに届かなかった場合です。
また、手玉が穴に落ちてしまってもファールです。
【ファール一覧】
ファール | 内容 |
---|---|
手球が狙うべき正しい的球に最初に当たらなかった | 的球を番号順に狙う必要がある種目では撞いた手球が正しい番号の的球以外に先に触れた場合はファールとなります。クッションに当たってから狙うべき的球に当たるのはOKです。 |
キューのタップ以外で球を触る | 手球に触れてよいのはキュー先のタップ部だけです。ゲーム中にボールをセットする場面以外では手や髪の毛、衣服などが触れるのも厳禁です。また、チョークやメカニカルブリッジが球に触れるのもファールとなります。 長髪の方が構えたときに髪がボールに触れたり、胸ポケットに入れたチョークやメガネが落ちて球に触れても同様にファールとなります。 |
ショット時に両足が床から離れてしまう | 手球の位置により普通に構えることが難しい場合にテーブルに体重をかけて構えることがありますが、このときに両足が床から離れるとファールになります。撞く瞬間(タップが手球に当たる瞬間)に片方の爪先が床に「明らかに接していた」状態であればファールになりません。 |
手球がポケットに落ちてしまった | 撞いた手球がポケットに入ってしまった場合、ゲーム継続ができないため「スクラッチ」と呼ばれるファールになります。 |
ボールが動いているのに次のショットを開始してしまう | テーブル上でボールが動いている(手球、的球にかかわらず)間に次のショットを行うとファールになります。 その場でボールが回転している状態は「ボールが動いている」とみなします。 |
二度撞き | 撞いた手球が跳ね返ってきてキューに触れたしまった場合は「二度撞き」と呼ばれるファールになります。 手球と的球が近く、ショット後にキューをすばやく離せないと想定される状況(おおむね手球と的球の距離がチョーク1個分くらい)では「プッシュします」と宣告してから撞くことでファールが免除されることがあります。 |
場外球 | パワフルなショットをするあまり、手球や的球がテーブルの外(レール上に乗っても)に出てしまうとファールになります。 レールに乗ってしまった球がテーブル内に戻って来た場合はファールにはなりません。 |
マーキング | ショットの目印になにかものをおいたりチョークで印をつけたりするなどの行為は違反行為です。 |
ミスキュー | 故意にキューで手球をこじったり先角で手球を撞いた場合などはファールになります。 故意ではないミスショットはファールとみなさないこともあります。 |
妨害行為(インターフェア) | 自分の番でないときに相手のプレーの妨げになる行為(音を出す、身体を動かして注意をそぐ など)は妨害行為とみなされファールとなります。 |
ノークッションファール | 手球が所定の的球に当たった後、ひとつもポケットされず、どの球もクッションに到達しない状況になってしまった場合はファールとなります。クッションに当たった後、1ミリでも跳ね返ればファールにはなりません。 |
ゲームの種類
ボーラード
ボーラードはボーリングとビリヤードを組み合わせた日本発祥のゲームですが、一人でも出来るルールと個人の技術レベルを判断しやすいゲーム内容から、プロテストの実技試験でも採用されてます。
ルールはまず、1番から10番までの的玉を使います。どの的玉の場合でも1つ1点としてスコアします。
ブレイクショット時は的玉が入らなくてもカウントに数えません。入った場合はスコアにプラスします。ブレイクショット以降は、どの的玉からでも良いのでコールショット(狙った的玉をどのポケットに入れるか指定する)で入れていきます。指定したポケットに入らなかった場合はファールとなり、そこまでのスコアがボーリングでいう1投目ということになります。
2投目は、1投目の続きからスタートで、狙った的玉が入らなかったり、指定したポケットと違うポケットに入ってしまった場合、2投目が終了となります。
ここまでが1ゲーム目として、1投目と2投目のスコアの合計が1ゲーム目のスコアになります。1投目で全てが入ってしまった場合、1ゲーム目はストライク。2投目までで全て入った場合はスペアです。これをボーリングのように10ゲームまで消化してスコアを出します。
エイトボール
日本ではナインボールの次にメジャーなゲールがエイトボールです。ナインボールより球数が増えてバンク(クッション)使用頻度も上がるため、より複雑なゲーム展開が好まれています。
ルールは2人で行うゲームです。的球には、1番~15番を使います。1番から7番までをソリッド(ローボール)、9番から15番までをストライプ(ハイボール)と呼びます。最後に8番を落とした方が勝ちとなります。
ラック(的球のセット)
8番の的球を真ん中に置き、左右両端にそれぞれソリッドのどれか一つとストライプのどれか一つを交互に置きます(左右どちらでもかまいません)。それ以外の的球は決まりはありません。自由に並べましょう。
ブレイクショット
まず、先攻後攻を決めて先攻がブレイクします。この時、ソフトブレイク(緩いショット)は認められていません。的球のいずれかが入るか、4つ以上の的球がクッションに触れなければファールとなります。ファールの場合は、後攻がブレイクし直すか先攻にブレイクをし直させるか、現状のままスタートするかを選択できます。
ナインボール
ナインボールは、分かりやすい内容と簡潔なゲーム展開から公式大会も多く、日本では一番メジャーなゲームとも言われています。
ルールは基本的に2人以上で行います。手球と1番~9番までの的球を使います。テーブル上にある的球の中で一番小さい番号から狙っていき、9番をポケットした人が勝ちとなります。
ナインボール特殊ファール
- ブレイク時に的球が1つも入らず、さらに手球、的球の2つ以上がクッションに触れなかった場合。
- 狙った的球に当たらなかった場合。
- 狙った的球に当てても、手球および的球のすべてがクッションに触れなかった場合。(1つでも触れればセーフ)
ビリヤードの道具
キュー
キューとは手球を撞く棒のことで、現在のキューの多くは構造的にバットとシャフトに分かれます。
この2つを繋いでいるのが金属や樹脂製のジョイントと呼ばれるパーツです。シャフトには先端部に革製のティップ(タップ)が付いていて、ティップは木を保護するための先角(フェラル)に接着されています。
一方利き手で握る方のバットには、糸や革で巻かれたグリップがあり、プレーする際にはここを持つ事になります。
手球
キューで撞く白いボールが「手球」です。6ヶ所に赤いドット(点)が付いたものが主流です。
的球
的球は1番ボールから15番ボールまでの15個です。1番から黄、青、赤、ピンク、オレンジ、緑、薄茶色、そして8番が黒、その後はまた9番から黄色、青、赤、ピンク、オレンジ、緑、薄茶色でストライプの入ったボールとなります。これらのボールをゲームの種類によって使い分けます。
チョーク
チョークはティップに塗る滑り止めです。ショット毎に使う大切な道具です。
トライアングルラック
ゲーム開始前にボールをセットするための道具です。木製やプラスチック製のものが多く、ボールを密着してセットするようにします。
ビリヤードのテクニック
ボールの正しい撞き方
ボールの正しい撞き方ですが、腕全体を使うのでなく肘の下だけを動かします。二の腕の部分はしっかりと固定して、肘を支点の中心として前後に腕を動かして打ちます。極端な言い方をすると、撞くというより、押し出す感じです。
目の位置
ビリヤードは目の位置も大事になります。真っ直ぐキューでボールを撞くには、目線をキューの中心におく必要があります。ゆっくり構えたら、キューが顎の下にくるようにしましょう。鼻の中心、顎の真下、このポイントの延長線上に手玉がくるように構えるのがコツになります。
手玉の中心を撞く
白球を撞く際の注意点ですが、撞く場所によって跳ね返り方が違ってきます。上の部分を撞くと、白球がカラーボールに当たった後に前進します。下の部分を撞くと、バックスピンがかかり白球は戻ってきます。右側を撞けば右に、左側を撞けば左です。中心を撞けば、白球はカラーボールに当たった場所でストップします。
フォーム
綺麗な構えの方が、正確なショットがしやすくなります。初心者のうちからカッコ良いフォームを覚えておきましょう。その中でも、スタンスと作り方はかなり重要になります。コツは、肩幅より少し大きめにスタンスをとり、腰をしっかり折ることです。
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